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六兆年と一夜物語(オリジナル) No.4 消えたトンネル

  • 桜華
  • 2017年10月19日
  • 読了時間: 1分

「誰も知らないおとぎ話は夕焼けの中に吸い込まれて消えてった・・・か」

昔_それほど遠くもない昔、おばあさまが歌ってくれた歌。

私にぴったりだからと何度も歌ってくれた歌。

もう一人、ぴったりな人をみつけました。

【あっち】って何?

前例のないことって?

どういうこと?

私は思わず駆け出す。

家の外へ。

母親のいない場所へ。

あの十字路へ。

光り輝くトンネルへ。

十字路へ着くには5分もかからなかった。

通いなれた学校への通り道の一部。

先ほどのような気配は感じられない。

私は奥へ進む。

奥に進むとあったのは、輝くトンネルなんてあった痕跡もないただの壁だった。

コンクリートでできたそれは、ずっとここにいましたと言わんばかりに名前もわからない植物の蔓が壁一面に張り付いていた。

私は、上がった息を整えながら考える。

道を間違うはずもない。

だったらあれは気のせい、夢だったのか。

はたまたあれは本当で、消えてしまったのか。

どちらにせよ関係はない。

気にかかっていたのは少し不思議だったから。

くぐってみたいなんて思っていない。

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